福祉局コラム

~ 成長を支える ~

「聞いてください!」と、ある一人の職員さんと一緒にいるリーダーに声をかけられました。


「この〇〇さんは、すごいんです。誰も気がつかない〇〇なことを気づいてくれるんです。」 とリーダーが本当に嬉しそうに伝えてくれます。


また、ある日には、「△△さんは、ご利用者様に着ていただく衣類について、こういうところまで気にかけて、周りの職員にも声をかけてくれるんです。」


心の中で、じわじわっと温かみがひろがるような、“誇らしさ”を感じながら、「ありがとうございます。」と伝えました。

じわじわっとひろがった誇らしさは、橘花苑には、こんなリーダーがいるんですという気持ちです。

また、あるリーダーは、「ダメなことはダメなんだ」と1対1で向き合って、伝えられる人。

伝える時には、必ず、対する職員の良いところも伝え、「あなたには期待をしている」ことと熱意を持って伝えてくれています。

職員一人一人の良いところ、強みを本当によくわかっていて、具体的に伝えてくれる。


皆さんは、一緒に働いてくれる仲間の強み、わかっておられますか。

評価、承認し、伝えてあげられていますか。

一緒に働いてくれている仲間をちゃんと見ているからこそ、知っている。

あなたは必要な人だとまっすぐに伝えてくれている。労をねぎらい、感謝することができる。

もちろん、リーダーにはいろいろなタイプがあります。厳しさ、優しさ、冷静さ、創造性や協調性、順応性も必要でしょう。

育ち、育ち合うためには、リーダーの「リーダーとしての成長」こそ、必要不可欠。

こんなリーダーが居る橘花苑のこれからを、私は信じて、希望を持っています。

そして、ご利用者、ご家族、職員、地域の皆様にお約束させていただいている通り、成長の種蒔きを続けていきたいと思っています。

蒔いた種が芽を出した時には、リーダーの皆さん、太陽となり、雨となり、風となり、冷たさや暖かさとなり、その芽を大切に、丁寧に、決してあきらめずに、育ててください。


 ~福祉局長~


~ 納骨 ~


いつまでも、納骨されずにタンスの上に置かれた妻のお骨。


納骨できない理由は・・・2つ。

1つは、寂しいから。もう1つは・・・納骨するお墓がないから。


 在宅支援のために訪問する。足の踏み場もない平屋アパートでの・・・お一人暮らし。

「お盆だから・・」「お彼岸だから・・」「祥月命日だから・・」と何かしらの理由をつけては、一緒に手をあわせてやってほしいと頼まれるようになった。

何とかタンスの前に座る場所を作る。

80代の高齢男性と並んで座り、一緒に手をあわせる。妻との思い出話は尽きない。

このひと時、高齢男性の心が少しだけ和らぐのを、隣りに居て感じていた。


生きてこられた通りに、今の生活がある。

高齢男性も、思い描いたような人生ではなかったかもしれない。

それでも、笑顔が印象的な、本当に朗らかな人だった。桜がとてもきれいな故郷の話を何度も聞かせてくださった。自慢の故郷の桜・・・。

結局、その高齢男性もヘルパーさんや訪問看護師さんら、たくさんの方に関わっていただきながら亡くなられ、疎遠になっていた娘さんが両親のお骨を引き取ってくれた。


介護の現場では、「また明日・・・」と別れても、必ず明日があるとは限らない。

“これで良かったでしょうか・・・” ご本人のお顔を思い浮かべ、問いかけ、自身の支援を振り返る。

いろいろな方の生きてこられた日々を一緒に辿りながら、今に寄り添わせていただく。そして、その最期をお見送りさせていただく介護の仕事は、本当に尊い。

橘花苑のホームページにお立ち寄りくださる皆さん、忘れられない『出会い』、心に留めている『思い』を、これからも、このコラムでお話しさせてください。

たくさんの出会いに育てていただいたご恩返しとして。


 ~福祉局長~


~ 校歌 ~


 皆さんは、卒業された小学校の「校歌」を覚えておられますか?  

テレビから、甲子園出場校の校歌が流れてくると、私はいつも一人の女性を思い出します。 

 その80代の女性は、向島で生まれ育ちました。4姉妹の長女様、妹さんたちは別所帯となり、女性は、両親を介護し見送られてからは、お一人で、広い敷地の生家で生活をされてきました。


いつの頃からか、認知症状が出始めておられたのでしょう。

 

私たちが訪問させていただくようになった頃には・・・生家は廃屋のようで、人が住まれているご様子が感じられず。

それでも、敷地内のあちこちには抜かれた草がかためて置いてあり、こまめに草取りがされていることは見てわかりました。

 

 ご本人は「何も困っていません」と言われ、ご自宅の中へ入れてくださることはありませんでしたが、何度目かの訪問で、やっと縁側の窓を開けてくださり、座ってお話ができました。

 自宅が小学校からとても近く、給食はない時代。走って家に帰って、お昼ご飯を食べていたこと。4姉妹の中で、自分だけが小学校を卒業して女学校へ進学させてもらったことなど話してくださいました。子供だった頃が、女性にとっては良い時代だったのでしょう。


 私も、その女性と同じ小学校を卒業しています。ふっと、校歌を口ずさみました。

 

   ~ さざなみ寄する瀬戸海の 向いが島の・・・ ♪ ~

 

すると、その女性も、一緒に校歌を歌い始められたのです。

 

「えっ・・・」 その時、私は、ひどく驚きました。同じ小学校を卒業しているのですから、当たり前と言えば当たり前です。

一緒に歌い終わって、とても感動したことを覚えています。

 

 支援を必要とされている高齢女性。受け入れてもらいたくて手を差しのべても、うまくいかず、どうしたものかと悩んでいました。

 

小学校の校歌を一緒に歌う。同じ「記憶」を持っていることで、その女性との距離感がぐっと近く感じられて、こんなこともあるんだ・・・とつくづく思った出来事でした。

 

 どんな「記憶」が、あなたとあなたの手を必要としてくださっている方とを結びつけてくれるでしょうか。


 ~福祉局長~


~ 本当の孤独とは ~


警察庁のデータによれば、2024年1月~3月に、自宅で亡くなった、お一人暮らしの65歳以上の高齢者は、17000人おられます。

  この人数から考えてみると、今、日本では、毎日180人の方が「孤独死」されていることになります。

  皆さんは、「孤独死」がどう定義されているのか、ご存知でしょうか。

誰にも看取られず、1人で亡くなることは同じです。国会答弁やマスコミの取り上げ方で、どちらも使われていますが、孤立死の方が、家族や社会との関係の希薄さを更に強く感じます。

 

 今、日本で起きていることは、確かに悲しいことかもしれません。でも、それは「一人で亡くなったこと」が悲しいのではなく、「それまでのその方の人生が孤独であった」ならば、そのことは本当に悲しいことです。

 

 でも、いつも私は、この「孤独死」という言葉自体がどうにかならないかと思ってきました。

 

 「自宅で最期まで暮らしたいの」「どこにも行きたくないの」「あなたが訪ねてくれた時に見つけてほしい」と真剣にお話しされる方が、幾人もおられました。

 

それを受け留める、「良し」とする度量が、地域に、支援関係者に求められた時、あなた自身、どう考えますか。隣人であった場合、支援者であった場合、お身内であった場合・・・。

 

「ご本人が望まれた通りに、ご自宅で最期を迎えられましたね。」と言ってあげられるように。「これで良かったのだ」と関わったすべての人が思えるように。

 

多くの説明と丁寧な準備が必要だと思われます。

 

すべての「お一人での死」が孤独死ではなく、まして、「孤立死」ではありませんように。

 

「自然死」「平穏死」と受け留められるご支援ができることを・・・たくさんの方の最期をお見送りさせていただきながら、私自身はそう考えています。




 ~福祉局長~


~ 寄り添うということ ~


医療や介護の現場では、「寄り添う」という言葉がよく聞かれます。

皆さんは、「寄り添う」という言葉にどんなイメージをもたれていますか。

どんな場面が思い浮かびますか。私は、数年前に目にしたある記事をいつも思い出します。


1歳に満たないわが子が癌とわかるまで。何度も検査に通い、泣き叫ぶ子供の声を聞くのも必要とわかっていても本当につらかった。私の何がいけなかったのか。苦しかった。

 大学病院へ紹介されて初めて受診した日。待合室に座る私の隣にナースが。


「お母さん、お母さんは大丈夫? これまで大変でしたね。」


私は、そんな声をかけられたことがなく、わーっと泣き崩れてしまった。

「お母さんは、今どんなことを考えているのか、気持ちを聞かせて・・・」とナースは
背中に手をあてた。

背中から、ぬくもりが伝わってきて涙が止まらなかった。

  

  寄り添うことができる専門職でありたい・・・と願う。

  寄り添ってもらうことができる場所で、介護を受けたい・・・と希望する。

  寄り添い合って共に年を重ねた夫婦が、1日でも長く一緒に暮らしたい・・と祈る。


「寄り添う」とは、相手の隣りに身を置き、相手の心に添うこと。そばにいること。

私たち介護現場は、本当に忙しい。

それでも、ひとつひとつの、命の重さや尊さを感じる心を失うことのないように。

  

  「寄り添う」日々、心を磨いていきましょう。

 

 ~福祉局長~


~ ご面会 ~


本当に雨が多かった春のある日。

95歳になられるご利用者様に、お孫様ご夫婦のご面会がありました。

遠く関東地方から、帰省されてのご面会でした。


 「〇〇君ね?」「ほんとに〇〇君ね?」マスクをずらすとわかります。

 「今どこにおるんね」

 「まぁ、遠いな。お金がようけ要ったじゃろう」「心配いらないよ」

 「お母さんも、ここの人も、みんなよくしてくれる。思うことはないよ」

 「わたしが95歳? 長く生きすぎたね(笑)」


おなかの底から「わっはっは」楽しい会話が続きます。

お若い方がこんなに上手に楽しく会話をしてくださるとは・・・ 「また、お盆に来るからね。元気でおってよ」

 ご本人様、お部屋に戻られる頃には、誰と会っていたのか、もう覚えてはおられないでしょう。

それでも、「楽しかったぁ」「うれしかったぁ」という気持ちは、ちゃんと心に残ります。

今日という日が、良い一日、嬉しい一日となりました。


ご本人の笑顔は、周りの人にも伝染します。


お孫様ご夫妻には、ご遠方から、時間を作ってお越しくださり、感謝いたします。ありがとうございます。

介護のお仕事でもされているのかと思うくらい、上手にご高齢な祖母様とお話をされ、お聞きすると、全く違う業界の方でした。


「25歳まで、祖母と一緒に暮らしてきましたから」とのこと。

「また来ます。祖母をよろしくお願いします。」とおっしゃられて、お帰りになられました。


 大切なご家族様を、橘花苑はお預かりさせていただいていることを改めて感じました。


「介護」という言葉に使われている漢字の意味をご存知でしょうか?

新入職職員には必ず伝えています。


「介」・・・気にかける。

「護」・・・目を離さず見守る、大切に扱う。


「私の大切な家族」に接する気持ちで、ひとつひとつの場面に、気持ちを込めて、対応していける職員でありましょう。



 ~福祉局長~


~ その人の記憶 ~


東日本大震災で、大切なご家族を亡くされたご遺族の言葉です。

「人は2度死ぬ。1度目は体が死んだ時。2度目はその人を知っている人がいなくなった時。」


その人を知っている人が生きている限り、その人は生きている・・・。


そう思って、理不尽であまりに突然な別れを、深い悲しみを、乗り越えようとされてきたのだと思います。


介護の仕事に携わらせていただいていると、「人が生まれて、生きて、死んでいく」ことについて、考える機会が多くあります。


誰にでも死は訪れます。


身近な人や家族が亡くなったり、ニュースなどを通じて人様の死を知る時、人は自分自

身の生き方を見つめ直します。


時には、自分の記憶の中にある出来事について、 自分にとっての「意味」や「解釈」が変わることさえあります。


出会いや別れ、出来事を通して、人は「死生観」というものを持っていくのでしょう。


「死生観」は人それぞれ、違った価値観だと思いますが、出会った方の生き死にを心にとどめ、リアリティを持ってそれを記憶に残す。


そのことが、亡くなった方を生かし続けることになり、生きている皆さん一人一人が、できる限り悔いのない人生を歩んでいくことにもつながっていくようです。


どんなお仕事をされている方にも、たくさんの出会いがあるでしょう。


どんな忘れられない人、忘れたくない人が、皆さんの記憶に残っておられますか?


そして、皆さん自身は、出会った人々の記憶の中にどんなふうに残っていくのでしょう。


私は・・・。 「ちょっとだけ、親切な人がいたなぁ」と、思い出してもらえれば幸せです。



 ~福祉局長~

~ 2024年度スタート ~


2024年度がスタートします。

開花宣言が待たれた桜も、やっと咲き始めました。🌸


コラムへお越しくださった皆様。 2023年度はどんな一年でしたか?

そして、2024年度を、どこで、どんな気持ちでスタートしておられますか?

 

橘花苑では、いよいよ、橘花苑全職員の「フォローアップ研修」をスタートします!

 

介護職員、看護職員、栄養士、機能訓練指導員、事務職員、相談員、介護支援専門員・・・・そう、もちろん施設長、局長も含めて。


すべての職員が、それぞれの専門性、経験年数に応じたコースを、一年かけて、計画的に受講していきいます。

 

学ぶこと、気づくこと、学び直すこと・・・新しい情報を取り込んでいくことが、職員一人一人の中で、習慣となっていきます。


「知る」ことは、「知らない自分」を知ることとなり、「もっと知りたい」という気持ちが生まれます。


「知る」ことは、「楽しい」ことだと感じてもらいたい。職員一人一人の成長を信じ、支え続けます。


丁寧に、大切に、この歩みを続けていくことが、私たちとご縁を結んでくださったご利用者様、ご家族様、地域の皆様との、日々の向き合いに必ず活かされていくことでしょう。



 ~福祉局長~

~ 声 ~


 皆さんは、ご自身の「声」を意識されたことはありますか?

 年齢とともに、女性は声が低くなり、男性は、声が高くなると言われています。

 声帯の変化や筋力低下によるものだそうですが・・・。

 そういう、私自身も、年々、声が低くなることを実感している一人です。

 

「55対38対7」と言われる「メラビアンの法則」と言われるものがあります。

 

 話し手が聞き手に与える印象は、

        「外見、しぐさ、表情」が55%

「声」が38%

「言葉、話の内容」は7%・・・だということです。

 

 言葉や話の内容よりも、声による印象が大きく相手には残ります。

 

高い声で、早口に、聞き慣れない、難しい言葉で、話しかけられたらどうでしょう。

ゆっくりと、はっきりと、わかりやすい言葉で、話しかけられたらどうでしょう。

どちらの方が、相手は、自分が大事にされているという気持ちになるでしょうか。

 

伝えたいことが、伝えたい相手に、「伝わる」には、

『言葉』、『表情』、『内容』、『態度』、『向き合う場所』、『座り方』等々たくさん、丁寧に考えておく必要があります。

 

 あなた自身の『声』について、少し、意識してみませんか?


 ~福祉局長~

~あなたはどこで最期を迎えたいですか~


 そして、あなたは・・・最期の時に、どんな人にそばに居てもらいたいですか。


日本人の60%は「自宅」で最期を迎えたいと希望しています。

実際には70%の方が病院で亡くなられています。

 

 ある年の、秋が感じられるようになった頃、施設では、お一人のご利用者様を見送らせて頂きました。

 たくさんの時間はもう残っていないご利用者様。

 ご家族様は一口でも食べてもらいたい一心で、ご本人様のお好きな物をお持ちになって、毎日、施設にお越しくださいました。

 ご家族様の力は大きく、ご利用者様は一口、二口・・・召し上がってくださいました。

 

「家に帰りたい・・・」というご本人様の言葉に、ご家族様はたくさん悩まれましたが、「家に連れて帰る」という決心をされました。

そして「家に帰ろうね」と・・・ご家族様からの言葉を聞かれて、ご利用者様は翌朝、旅立っていかれました。

 

 ご家族様の決心に安心して逝かれたように思えましたが、ご家族様のお気持ちだけが気がかりでなりませんでした。

ご葬儀を済まされてお越しくださったご家族様。「骨になって、やっと家に連れて帰ってやれました。」と涙をこぼされます。

 

 最後の夜、ご本人様は「家に帰る」ということを、ちゃんとわかっておられました。

伝わっていましたよ・・・そうお話させていただきました。

 

 これからも、ご利用者様、ご家族様の様々な選択や決心に寄り添わせて頂くことになるでしょう。

 

在宅支援の職員も、施設職員も、地域の皆様に、いろいろな選択肢を提案できる力をつけていきましょう。

そして、全職員、個々人が専門職として、「看取り」について考え、お一人お一人の人生に、心を込めて向き合わせていただきましょう。


 ~福祉局長~

『中核人材育成コース』スタート!!


 このコラムにお越しくださった皆様。ありがとうございます。


 本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 橘花苑では、『中核人材育成コース』という研修をスタートしています。

 



 法人が営ませていただいている事業の中核となる人材が・・・

    ①「人を育てる」

    ②「チームを育てる」

    ③「組織を成長に導く」ことができる、スキル・専門性を身につけることを目的としています。

 

 ここで、このコースの研修に参加しているメンバーの声を紹介させていただきます。


  🌸テーマ 『 ティーチングとコーチング ~人材育成の知識と技術~』


歴史の教科書に登場する、ある偉人がこんな言葉を遺してくれています。

 

 「リーダーとは、希望を配る人である。


私たちも、そうでありたいと願います。

 ~福祉局長~

~言葉で伝え合うということ~

福祉局コラム ~2023年12月号~

~ 言葉で伝え合うということ ~

 

 ある省庁が5年前こんな提言をしています。

 『①正確さ②わかりやすさ③ふさわしさ④敬意と親しさ、この四つの要素を「手がかり」として、“言葉によって分かり合うため”の工夫を共に考えていきたい』

 確かに、わかりやすい話し方をしてもらえると、安心してコミュニケーションをとることができますね。お互いに十分理解できるように、表現を工夫して伝え合うことです。


 では、三つ目の「ふさわしさ」って、どういう意味なのでしょう?これは、場面や状況、相手の気持ちに配慮して、内容や言葉、伝える方法を選ぶことだと言われています。


 そこに、四つ目の要素「敬意と親しさ」をバランス良くプラスα。伝え合う者同士が近づき過ぎず、遠ざかり過ぎず、互いに心地良い距離をとり伝え合うこと。専門用語を多用せず、少し遠回しになっても、日常の言葉を選ぶことです。

 相手が受け入れやすいと感じる、こうした状態が「ふさわしさ」+「敬意と親しさ」によって工夫されているということになります。

 私たちは、日々様々な専門職の方と協働します。様々なチームが存在します。

 専門用語のほうが正しく伝わることもありますが、専門職同士の情報共有の場であっても、相手への敬意と親しさ、信頼、配慮を持って、

「ふさわしい」場面を作っていくことが、本当の専門職集団ではないでしょうか。

 ふと、こんな人生訓が頭に浮かびました。

 

 “実るほど頭を垂れる稲穂かな”


  経験や知識を積ませていただけば頂くほど、謙虚さや自身の足りなさを心に留めたいと思う今日この頃。


 ~福祉局長~


~ひとりの暮らし~

福祉局コラム ~2023年11月号~

~ ひとりの暮らし ~

 

「私は一人で暮らしているでしょう。でもひとりで生きているわけではないのよ。皆さんに助けてもらって生きているの」

感謝の気持ちをいつも持っておられる物静かで素敵な高齢女性との出会い。


 その方からお聞きした忘れられないお話です。


 「ねぇ、人は生まれた時、赤ちゃんで、おぎゃおぎゃって泣くでしょう。

  でも周りにいる人はみんな幸せそうに赤ちゃんの誕生を喜び笑っている。

  私はね・・・周りに居てくださる方がみんな泣いてくださって、

  私だけが幸せそうに笑顔で旅立っていきたいの」とおっしゃられました。


 そして、その女性はその通りに、ベッド上で全く自分では動けなくなった生活に、何一つ不足を言われず、感謝の気持ちで逝かれました。

 

 同居のご家族がおられる方、施設へ入所しておられる方、たくさんの人の中で暮らしておられても「孤独」であることはあるでしょう。


 どうか橘花苑とご縁を結んでくださった皆様が、旅立ちはお一人であっても、


 その最期の時が決して「孤独」ではないように。出会わせていただいた職員ひとりひとりが、


 感謝の気持ちを持って寄り添わせていただけるよう、専門性を高め、専門性の真ん中にある「感性」を研ぎ澄ましていきましょう。


 ~福祉局長~


福祉局って何?

福祉局コラム ~2023年10月号~


福祉局って何?と尋ねられます。

「福」という字も「祉」という字も「幸せ」を意味します。


福祉局をお預かりしている者としては、本当に良い名前を付けていただいたと思っています。


橘花苑との縁を結んでくださったすべての皆さんが「幸せ」を感じてくださるように、福祉局は人材育成、チーム橘花苑作りに取り組んでまいります。


種を蒔き、目を離さず丁寧に育て、心から信頼し、その成長を決してあきらめません。


なぜなら、その成長は職員ひとりひとりの人生を豊かにしてくれるだけではなく、

私たちの目指す「ご利用者、ご家族の幸せ・笑顔・安心」につながっていくものだからです。


 ~福祉局長~